少人数による教育

学校

2020年9月8日、文部科学省による教育再生実行会議 初等中等教育ワーキンググループ(初中WG)が開催されました。21名の委員が出席して、様々なテーマが議論に上がりましたが、その中で特に少人数によるきめ細やかな指導体制・環境誠意について議論が行われました。

会議冒頭、萩生田大臣から、

安倍内閣の下に設置されている教育再生実行会議の取扱いについて、次の内閣でもこの体制で続けていただきたいと考えているが、新総理のお考えにもよるため、WGを前倒しして開催し、少人数によるきめ細かな指導体制・環境整備を中心にご議論いただきたいこと、 大きな方向性を確認いただけるようならその内容をペーパーとしてまとめ、次の体制に引き継いでもらうようにしたいことなどを説明しました。  各委員からは、アフターコロナも見据えた上で、多くの委員から少人数によるきめ細やかな指導体制・環境整備について賛同いただくとともに

・児童生徒との対話や何かを引き出す授業スタイルに転換することとセットで取り組む必要がある

・施策の前後でデータを取得することが極めて重要である ・均一的な少人数化ではなく、少人数化を柔軟に使える制度にすべき

・教員の質の確保やマネジメントの視点も大事である など活発な意見が出ました。  

その上で、令和時代のスタンダードとしての「新しい時代の学びの環境の姿」を描き、特に、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備や関連する施設整備等の環境整備を進める方向で、WGで議論していくことになります。

少人数教育のメリット・デメリット

少人数クラスには2つのパターンが考えられます。

一つは最初からクラス分けの時点で少人数にするパターン。もう一つは特定の教科のみ学級を分けて少人数のクラスを設置するパターンです。

これらを実行することにより、教師一人に対する児童生徒の数が減り、もっと個々に対応することができるというメリットがあります。集団の中では埋没してしまう消極的な児童や、授業に集中できない児童への対応としても効果がありそうです。特に算数や数学の分野では個人差が開いている場合があり、同じようなレベルで勉強する方が教える側にも学ぶ側にもメリットがあります。

ただ、このような方法を採用するには、多くの教室と教員の確保が必要になってきます。各都道府県の人事などは財政状況にも左右されるため、導入するには国主導の改革になるのではないでしょうか。

国立教育政策研究所の研究によると、小学校低学年にいては学級規模が小さいほど学力の向上傾向がられ、高学年では学生数での際は小さいが長期的に見ると過去の学力調査の得点が低かった児童の底上げ効果が見られたようです。

学級規模による学力や児童生徒の心理に影響する検証するには様々な条件などを考慮する必要がありますが 教育心理学研究の学級レベルの解析を行った研究では、学級規模が10人拡大するごとに、国語の特典が0.07SD,算数・数学0.10SD低下することが示されています。

また、教育心理学研究の報告では、学級規模の拡大が教師や友人からのソーシャルサポートの減少、向社会的行動の減少、抑うつの上昇につながることが報告されています。

米国のいくつかの研究では少人数クラスの機能と影響に関する情報を得るために長年にわたって生徒と教師を追跡調査を行ってきました。これらはテネシー州のプロジェクトSTAR(Project STAR)、および、インディアナ州のプロジェクトPRIME TIMEと呼ばれます。

プロジェクトSTARでは幼稚園から3年生までの4年間の追跡調査が行われました。1995年に開始されたこのプロジェクトには4年間で1200万ドルの政府資金が割り当てられ、7000人の学生が参加しました。

プロジェクトSTARは3つのタイプ、教師一人あたり13〜17人の児童がいるクラスと22〜25人の児童がいる通常のクラス、教師とサポートの教師がいる22〜25人の児童がいるクラスで児童の成績と成長を調査しました。調査の結果は次の通りです。

  • 小クラスの生徒の読書と数学の成績は、通常のクラスの生徒よりも著しく良かった。
  • 特にEthnic minority groupで顕著に見られた。

また、1000名を超える教師の面接を行い、少人数のクラスが学習と指導にどのような影響があったかを話しました。

  • 基本的な指示や説明の時間が短縮され、時間ができたことにより、追加の資料なども紹介できた。
  • 補足のテキストなどを使用する機会が増えた。
  • 基本的な内容をより深く教えることができた。
  • 児童が学習活動により積極的に参加する機会が増えた。
  • など、の意見が出された。
  • 引用元 NZCER

ニュージーランドでは、小学校から算数の時間はレベルに別れて勉強しているようです。人クラスにはだいたい15〜20人ぐらいでしょうか。

このように見ていくと、少人数クラスを効果的に導入することで学力の向上にかなりの成果が期待できと言えそうです。

実際、教壇に立っていた頃、クラスの人数は24人でしたが、それでも、算数の時間などは、課題がはやく終わってしまう子、手助けがないとほぼ授業について来られない子など様々で、差がどんどん広がってしまうやるせなさがあったように感じます。少人数であれば、はやく終わってしまう子にはもっと違う課題を、ついて来られていない子にはもっと基本的なことが教えられたのではないかと思ったりします。

教育はその国の未来を作る大事な事業です。投資といってもいいかもしれません。

日本という素敵な文化を持った国がますます反映していくためにも、大胆な教育改革を期待します。

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