私の子どもはニュージーランドで生まれ現在日本でいう高校3年生に当たるYear13(2020年現在)になります。
そこで、ニュージーランドではどのような教育システムになっているかご紹介します。

住む場所によって教育や学校の雰囲気が違う
ニュージーランドの初等・中等教育学校情報を網羅している教育省(Ministry of Education)のサイトでは全ての学校の所在地などの基本情報の中にDecile(ディーサイル)というものを加えて表示しています。Decileとはその居住地域を住民の所得を基準に1〜10までのランクに分けたもので、10が一番いいランクです。
低所得者層が多い場所はDecileが1と表示されますが、だからと言って教育の質が低いとは言い切れません。また、10だからと言って必ずしも質がいいかとも言えません。しかし、ニュージーランドの公立学校は政府援助を受けていますが,学校運営はあくまでも各学校の学校運営委員会(Board of Trust)による独立採算制であるため,Donation(ドネーション)寄付で成り立っている面があります。なので、学校に通う家庭が寄付をするかしないかで色々な設備に差が出てくることがあります。そうなると、少しでもDecileが高い裕福な人が住んでいる地域の方が設備などがよくなる可能性があります。設備によっては教育活動に直結するものもあるので、あながちDecileの数字なんか気にしないとも言えません。
ニュージーランドの教育課程は6−2−5−3制
日本では”小学校○年生”と言いますが、ニュージーランドでは「Year○」と言います。
ニュージーランドの義務教育はYear11までで、初等教育は5〜12歳(Year1〜8)、中等教育は13〜17歳(Year9〜13)です。
基本17歳までの公立学校は授業料等はありません。その代わり、先ほども出ましたDonation(寄付)が各家庭に課せられます。だいたい年間200〜400NZドル(日本円で約1万4000円〜3万円)になります。この寄付金の額もDecileによって変わる場合があります。中には一度も支払ったことがないという家庭もあったと聞いたことがありますが、特にペナルティーはありません。ただ、やはり自分の子どもがお世話になってるので協力した方がいいと思います。大学入学までほぼ無償で教育が受けられるのは魅力的だと思います。しかも2020年現在では大学の1年目も無償になっています。

4学期制の義務教育過程
ニュージーランドは5歳になった時に小学校に入学します。なので、日本のような入学式は行われません。続々とクラスメイトが増えてくるのは日本ではありえない光景ですね。
学期は4つに分かれており、
1学期:1月下旬〜4月上旬
2学期:4月下旬〜7月上旬
3学期:7月下旬〜9月下旬
4学期:10月中旬〜12月中旬
で、各学期の間には2〜3週間のホリデーがあります。
ご存知の方も多いと思いますが、ニュージーランドと日本は季節が逆です。なので12月〜1月までは夏になりクリスマスや年末年始のホリデーが約1ヶ月あります。クリスマスが夏なので、サンタがサーフィンに乗ってやってくるのもNZならではですね。
義務教育の基礎科目は、国語(英語)・算数・科学・技術・社会・美術・保健体育(PE)の7科目です。毎年、決まったStationaly(文房具)の注文をしなければならず、色鉛筆など、去年のまだ使えるものがあっても新しく注文したりすることがあります。
言葉は英語の他に公用語のマオリ語も授業に取り入れています。マオリ文化を大切にしている姿勢が伝わります。
私も現地の学校で教えたことがありますが、驚いたのは教科書などがなく、先生が作ったプリントなどで授業をしています。算数などはコンピューターのMathletics(マスレティクス)を使っていて宿題なども早い段階でコンピューターを使っていました。ただ、掛け算など日本ほど学校で取り扱わず、家庭での練習に委ねられている面があります。なので、いい加減に取り組むと、あとあと算数が苦手になる子どもが増え、それがニュージーランドの数学のレベルにも影響しています。

大学などへの進学する条件 「NCEA]
大学などに進学するには「NCEA(National Certificates of Educational Achievement)」いわゆる全国の統一テストを受け高校教育認定資格を習得する必要があります。
Year11でNCEAレベル1をクリア
year12に進級or工科大学・ポリテクニックのサーティフィケート課程に進学
Year12でNCEAレベル2をクリア
year13に進級or工科大学・ポリテクニックの準学士課程(Diploma)に進学
Year13でNCEAレベル3をクリア
大学課程や工科大学・ポリテクニックの学士課程(Bachelor’s Degree)に進学
といった感じです。
大学・技術専門学校は全て国立になります。
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